三ツ星★★★人生

勢いで会社を辞めた元女SEのその後

アジアの安い人材に取って代わられる階層

今後、自分がサラリーマンで居続けるとどうなるか考えてみた。

 

まず、サラリーマンである限り、日本から出られない。

2014年現在、アジアは日本に比べて物価が安い。アジアで生活すれば、日本で生活するのの3分の1くらいのコストしかかからない。たとえば、マレーシアなんかが有名だが、プール、ジム付きの3LDKマンションを借りるのに、月8万円くらい。日本の、しかも都内だったらワンルームのウサギ小屋が関の山だろう。

 

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休日やまとまった休みには、どこへ行っても人、人、人。

ごみごみした人ごみ、日本人の頭の色で真っ黒に見えるスクランブル交差点、満員の電車、満員のファミレス、満員のプール、満員の遊園地、満員の公園。ギャーギャー騒がしいし、臭いし、みんな頭が真っ黒だからニューヨークの人ごみには感じない気持ち悪さがある。


じゃあ、なぜ多くの日本人はいまだ日本で生活しているのか?

日本でしか、働けないから。

職場に通っている限りは、嫌でも物価の高い都心の近くに住むか、満員電車をガマンして毎日通勤に平均2時間、ストレスを溜めながらじっとしているしかない。

 

一方、ネットなどのインフラ環境は、既にアジアも都心部であれば日本と大差ないほど、充分整っている。数年前までは、中国のホテルだと無線がぶちぶち切れて全然仕事にならない、みたいなことを言っていた先輩社員がいたが、今は普通に日本人が泊まれる平均的なホテルでも、問題なく繋がる。

昔の日本のように、急速に経済が発展している。そして、人件費も物価も、日本に比べて格段に安い。

 

この価格差を利用する側の日本企業が、変化するのに時間がかかっているだけだ。特に、「伝統的な日本企業」という気持ち悪い組織は、変化を嫌う。これは日本の教育の賜物だ。

 

しかし確実に、変化は我々の生活に浸透してきている。

一昔前は、歌舞伎町や五反田みたいな歓楽街の安いキャバクラとか風俗でしか見かけなかったベトナム人や中国人が、今では飲食チェーンのバイトや大手コンビニのバイトで多数働いている。既に日本人より多いくらいの印象だ。

コールセンターでさえも、最近は中国人がカタコトで対応したりする。

 

つまり、風俗→アルバイト→派遣社員、の順で、人件費の安い外国人の人口密度が増えている。これはどういうことか? つまり、「誰でもできる仕事」から順番に、外国人に取って替わられている、いうこと。

 

おそらく次は、契約社員、正社員の番だ。特に、事務や経理みたいな、定型業務をしている日本人が、中国人やベトナム人、インド人に替わっていくだろう。

その次は? 

その頃には、外国人の人口密度が高まっているだろうから、英語が今よりもオフィスで使われるようになる。そうなったらもう、企業は日本人を雇う必要などない。むしろ、英語もろくにしゃべれないような「正社員」など、コスト以外の何物でもなくなるだろう。

 

そして訪れるXデー。つまり、大規模な人員整理。

それまでに、自分で稼ぐ力を身につけておかないと、何にもない状態でポーンと道端に放り出されて、途方に暮れるしかなくなる。更に、あと30年近く残ったローン、食べ盛りの子供、両親の介護、、、想像するだけでゾッとする。

 

こんなヤバイ状況下で、ローンを組んでマンションを買ったり、都内に住んでいたら全く不要な車を買ったり、数百万円出して結婚式をしたり、何の目的もなく海外旅行へ行ったりしているサラリーマンたち、そんなサラリーマンたちに寄生虫みたいに吸い付く「婚活女子」たち。全く理解できない。気持ち悪い。

しかし、私の身近にも確実に存在している。私やこの記事を読んでくれている人は、まだまだ少数派だ。ありがたいことに。

 

◆「みんな」がやり始めてからでは遅い。

日本で稼ぐ外国人が増えてきたら、外国人側も、今のようにバカみたいな安い賃金で働いてくれなくなる。そうすると、外国人の平均賃金が上がってくるのは自然な成り行きだろう。

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そうして徐々に、世界の物価格差が均一化してくる。

つまり、どこに住んでても、そんなに変わらない状態になる。「アジアに住めば3分の1のコストで生活できる」という状態も、そのメリットは時間と共にどんどん失われていっているのだ。

 

「みんな」がやり始めてからでは遅い。

誰もやってないから、そこに甘露が存在する。

 

そして、誰もやっていないことをいち早く始めた人間だけが、その甘露を享受することができるのだ。今はもう、アジアに住むのは有名な話になってきている。

 

◆サラリーマンだけど、既に職場で働く必要がない。

朝9時に来て、PCを立ち上げて、メールをチェックして、プログラミングを始める。11:30に早めの昼食に出かける。12時になるとどこも混むし、うるさい。コンビニも弁当を買うサラリーマンで長蛇の列ができる。

だから、昼は早めに出ることにしてる。もちろん、一人。

誰かと一緒だと気を遣わないといけなくて休まらないし、誰とも何も話したくないし、話を聞くのもうんざりだ。昼食から帰ってくると、オフィスは人が少なくなってる。

 

みんなで一斉に弁当を買いに並びに行ったからだ。その間、ゆっくりとこういう文章を書いている。13時にはまた一斉に人が帰ってくる。私も黙々と作業を始める。わからないことがあったら、Google検索して解決する。どうしても解決しなかったら、わかりそうな人にメールを送る。(めったにないし、送っても解決することは稀)

18時になる。帰る。

 

出社してから退社するまで、発した言葉は、朝一の「おはようございます」と帰るときの「おさきに失礼します」。
これを言うために会社に毎日来ている。なんともばかばかしい。どう考えてもばかばかしい。一ヵ月の交通費で1万円くらい、会社は払ってる。もっと遠くから通ってる人には、3万とか払っている。

 

なぜ?

メールだけじゃ資料を見ながら話さないと。面と向かって話さないと。

なぜ?

今は、無料のテレビ電話もある。スカイプって知ってますか?って感じだ。
もちろん、皆知っている。でも、オフィスに来る。
なぜ?

「みんながそうしてるから」「そういう会社だから」。

 

こういう会社が、10年後にも存在しているかと考えると、おそらくしていないと思う。賢い会社に吸収されるなり、倒産するなりするだろう。つまり、自然淘汰ってやつだ。


賢い会社とは、どういう会社か?最も大きな割合を占めるコストである人件費をカットして、売上アップに全力を注ぐ会社だ。そういう会社はオフィスを持たないこともある。フリーアドレス制の導入もある。今は、大企業でもフリーアドレスにして、オフィスを小さく、身軽にする動きを見せているところもある。結構前だけど、ソニーが自社ビルを売ったりね。


今は、情報の伝播スピードがとても速い。一部の人間だけが甘露を享受できる期間は、どんどん短くなっている。

如何にして「一部の人間」になるか。

 

これが、今後の生き残りを左右するのは間違いないだろう。日本にしがみついていれば、状況はどんどん悪くなる。よくなる理由がない。少子高齢化、アジアからの安い人材の流入、留まる事を知らない情報化の波、バカな官僚。IT技術の発達。

 

みんなと同じことをやっていれば安心、みたいな人間は、

ハッキリ言ってお話にならないと思う。

滅びの運命にあるだろう。

まーそういう人間の方が多いから、「一部」になろうとする我々は助かるのも事実。感謝しなければ。