サラリーマンは無力な羊だ
サラリーマンでい続けることへの限界を感じたエピソードの一つ。
会社が分割統合されるにあたり、
経費精算用の個人口座開設を社員全員が「強制」されました。
私
「お金を一元管理しているので、できれば口座を増やしたくないのですが、
口座開設は全員強制になるのでしょうか?」
経理部担当
「はい。経費精算用の銀行口座は支店まで限定です。
個人的なご都合があるでしょうが、
よろしくお願いいたします。」
サラリーマンでいることは、私にとって「諦め」以外の何物でもない。
会社が分割統合されるにあたり、
経費精算用の個人口座開設を社員全員が「強制」されました。
もちろん、会社が個人に口座開設を強制する権限などあるはずもない。
賃金の支払い方法は、原則手渡し。労働者の同意を得た場合のみ、振込なども許される。
下記の労働基準法に照らし合わせたら、口座開設を全員に強制することは違法であるのは明確だ。
(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
ちなみに、
給与や賞与の振込みの際に振込み手数料を差し引くことは、労働基準法の「賃金全額払いの原則」に違反するためできない。
労働者本人からの依頼による口座振込みであっても、
振込手数料は、賃金支払において使用者が当然に負担すべき経費であるため、
賃金から振込み手数料を控除して銀行口座に振込むことはできない。
そして、経理担当者(その道30年以上のベテラン)が、知らないはずはない。
つまり、こっちが知らない、もしくは知っていても戦おうとはしないと、たかをくくっているということ。
舐められてるってこと。
一人で果敢に立ち向かったとして、負けることはないだろう。法を犯しているのは、明らかに会社の方だ。
しかし、自分だけ手渡しでの支払を要求したとして、どうなるだろう?
経理部にとっては、「面倒臭い人」になるのだ。
一律銀行振り込みであれば効率化できるところを、一人の例外処理によって制約されるのだから。
今後顔を合わせて同じ会社で働いていく上で、
反分子的扱いを受けることは簡単に想像できる。
人間関係の悪化した職場で、村八分にされて、
働き続けるのは想像を絶するほどの苦行だろう。
だから、社員として働くしかない人間は、歯向かわない。
「ちょっと口座開設の申込書を書く手間がかかるだけ」と自分に言い訳をしながら、
納得するしかない。
「しょうがない」
つまり、諦めだ。サラリーマンでいることは、私にとって「諦め」以外の何物でもない。
会社が統合されるから、しょうがない。
皆がそのルールに従うんだから、しょうがない。
会社を辞めたら生活できないんだから、しょうがない。
こんなことで、人生が楽しいわけがない。
毎朝、満員電車に詰め込まれる大量のスーツ姿を見ていると、
ベルトコンベアを流れる同じ形をした大量の菓子パンが思い浮かぶ。
そして、自分がその中の一つであることに、愕然とする。
昼になったら、同様にして作られた菓子パンとおにぎりで空腹を満たし、
暗くなるまでつまらない仕事をして、ストレスに耐え、家に帰る。
月末になると、労働の対価として、給料を受け取る。
その給料で、また菓子パンを買う。
そんな毎日。そんな感じですぎていく私の人生の時間。あーあ