成功者が語る苦労話
■成功の陰には、想像を絶する苦労と努力がある?
「成功者(≒サラリーマン辞めて金持ちになった人)」と言われる人の自伝やブログを見ると、いわゆる下積み時代の苦労話が語られていることが多い。
・○学校の時、いじめにあっていた。
・家が貧乏だった。
・病気がちで、外で遊んだ経験がない。
・親から虐待を受けていた。
・ブラック企業に勤めていて、毎日上司に怒鳴られていた。
そういうのを見ると、私のような、
ずっと大きな病気や事故もなく、食べるものに困るくらいの貧乏の経験もなく、
学歴でバカにされた事もなく、ブラック企業に勤めたこともない人間は、
成功者になれない、みたいな印象を受ける。
成功者には、苦労した経験がなければなれない、みたいな。
つらい思いをして、それを「ばね」に頑張れたから成功したって。
リスクを取らないと成功も出来ないって。
本当にそうかな?
別に私は成功者じゃないから断言はできないけど
成功するための必須条件が、過去の酷い経験だってことも、誰も断言できない。
証明できない。
むしろ、「(玉石混淆の)成功者たち」は過去の経験を大げさに語って、
今自分が成功していることを、正当化して、つらい思いをしている我々サラリーマンに、すり寄っているように思える。
■なぜ苦労話で、「成功」を正当化する必要があるか?
成功者たちが「自分たちとは違うもの」と分類している、一般人、サラリーマン、フリーター達と比べて、成功者はすごーく楽して金を稼いでいるから。
要するに、自分たちが楽してる分を、顧客であるサラリーマンたちが負担してるって気付かれるのは、マズイってこと。
「1日2時間の労働で、月100万稼いでる」とか、よく見かけるよね。
満員電車に乗らなくていいし、好きな時に好きな所へ旅行できるって。
ああいうの見て、イライラするのは私だけじゃないよね?
よく見かけるのは、アフィリエイトと輸入ビジネス。
自分達は何も生み出してない。
当たり前だ。一人で出来る事なんて、たかが知れてる。
たくさんのサラリーマンが、我慢して毎日職場に通って生み出した製品を横流しして、その利益を得ている寄生虫みたいなやつら。そのくせ、サラリーマンに感謝するどころか、バカにする始末。もうちょっと感謝があってもいいと思う。
自分たちがバカにして否定してる「サラリーマン」がいなくなったら、困るだろって。
みんなにサラリーマンでい続けてほしいから、
1つの参入障壁として、苦労話をするんだと思う。
サラリーマンであることがどんなに楽で、独立するのがどんなに大変かって、一生懸命宣伝してるでしょ。
わざわざ「サラリーマンを辞める事のリスク」なんて語る理由って、他に思いつかない。
そう考えると、ブログやツイッター、本でそういうことを声高に宣伝してるのは、
きわめて合理的な行動と言える。