三ツ星★★★人生

勢いで会社を辞めた元女SEのその後

【実践してみた】ユダヤ人大富豪の教え~ゲラー氏の最初の試練<最終日>~

目次

 

試練の内容と本の中の答え

言わずと知れたベストセラー、本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え」。

著者である本田さんが学生の頃、アメリカ滞在中に大富豪ゲラー氏と出会い、弟子入りして成功の秘訣を教えてもらう、というストーリー調のビジネス書です。

私も定期的に愛読しています。(読み返す度に新たな発見がある不思議な本です)

 

 

この本のプロローグで、大富豪のゲラー氏が当時学生だった本田さんに与えたテストが紹介されています。ゲラー氏に成功の秘訣を教えてもらうためには、このテストをクリアしなければならないのです。

 

テストの内容は、

「私はこの若者が人生で成功するのを心から応援する」と書いた紙に1000人分の署名を3日以内にもらってこい、というもの。

 

本の中ではわずか2ページ!でどうやってこの試練を乗り越えたのかが描かれています。

p.21-22

1日目:ショッピングモールでにこやかに声をかけ続けたが、胡散臭そうに見られて避けられ続け、結局たった数十人のサインしかもらうことができなかった。

道行く人が喜んでサインしてくれるような、何らかの仕組みが必要だと気付く。

2日目:友人がくれた選抜るを分解し、サインのお礼に折り鶴をプレゼントする作戦を実行。「こんにちは。僕は日本から来た学生ですが、ゲームに勝たなければ国へ帰れないんです。助けてもらえませんか?お名前をサインして下さるだけでいいんです。お礼に紙で折った鶴を差し上げます」と声をかけると、あっと言う間に人垣ができ、入れ食い状態になった。半日で1000人の署名を集めることに成功。

ふむふむ。こんなに簡単なら、私もやってみようかな~と。

それに、ゲラー氏は目の前にいないけれど、ちゃんと教えが書かれた本があるんだから、実践しながら読めば本田さんと同じくらい成長できるのではないか、と考えたのです。

 

 

<3日目>実践した結果

日時:日曜日11:00〜14:00

場所:有楽町駅前

服装:パーカー(ティッシュ配りのお姉さん風)

 

2日目の反省をうけて見直したのは、まず署名用紙。
誰一人名前がない真っ白な署名用紙に、あなたはサインを書けるだろうか?それを見た瞬間、「え、私以外は誰も書いてないじゃん」って思われたらダメだ。
ということで、署名用紙は捨てて、スケッチブックを買った。無印良品では、購入したスケッチブックに、店舗にあるスタンプを押す事が出来る。それを使ってぱっと見、ポップな印象を受けるようにした。縁取りとか。
さらに、警戒されないように、カラフルなペンでサクラの署名もした(3人分、架空の名前を書いておいた)
「他にも書いている人がいる」と思わせれば、相手は安心するはず。
 
そして、私が考えた最後の作戦は・・・名付けて「東京の人も、あったかいんだからぁ〜」作戦!
署名をしてくれたら、あなたの名前があなたの名前が本に載ります!というもの。
どうせ萎縮して大声は出せないので、看板を作って掲げることにしました。

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うん、今冷静に見返すと、なんていう罰ゲームだよこれって感じですねwww
皆さん、想像してみて下さい。これを持って一人で有楽町の駅前に立つんですよ。
 
コンセプトは、以下の通り。
「東京の人は冷たい、と言われている。
しかし、本当はあったかい人だってたくさんいるんだ、ということを私は世間に訴えたい。
賛同する人は、署名してください。
署名をもらったスケッチブックはそのまま電子書籍にしてAmazonで販売します。
あなたの名前が、東京のあったかい人として本に載ります!」
 
 
「私が提供できるサービス、モノ」で、かつ「他人が喜ぶサービス、モノ」。この二軸で考え、ひねり出したアイデアでした。
私にしか出せない、というほどではないが、
電子書籍を出版したことのある人は少ないだろうし、
イデアとしても結構斬新だし(他に同じようなことをやっている人はいないし)、
多くの人は自分のことを「あったかい人、いい人」だと思われたいのではないか。
と考えた末の作戦でした。
 
 
結果は惨敗。
自作した看板は通り過ぎる人の9割が見てくれました。しかし、その後は私から目を逸らして見て見ぬフリをするか、クスクス笑ったり、連れ立つ人たちでヒソヒソしたりして、誰も立ち止まってはくれませんでした。
 
通行人の回避率はアメより高かったですね。
10分間、この罰ゲーム(?)に耐え、
ダメだこりゃと看板をしまいました。ダメってことは10分でわかりました。
 
<敗因について考察>
・まず、東京の人たちは、自分のことをあったかい人だと思ってほしくない(むしろ、冷たいのがクールで格好いいと思っているのかも。あったかい=地方の人、みたいなイメージもあるし)
・不特定多数に自分の名前を公表するのにリスクを感じる。
・というか、そんな本、出版されたとして誰が買うの?
・そんな恥ずかしい本に自分の名前が載るなんて、あり得ない。
 
こんなところだろうか。
そもそもの「東京の人はあったかい人間だと思われたい」という思い込みが、大きな敗因かなぁ。
 
それに、人気作家の本の主役の名前が自分の名前だったら喜んで名前を差し出すけど、
訳のわからない本(しかもスケッチブックにかかれた1000分の1)に自分の名前が載ったからって、誰が嬉しいのかってことにも気付かなかった。。
 
結局、2時間かけて作成した看板とスケッチブックを早々にバックにしまった。
ふぅ・・・

まとめ

完全に失敗に終わった訳だけれど、私はこの企画を実行して良かったと思っている。
本を読んだ時は自分にも簡単に出来るような気がしていたが、実際にやってみたら全く歯が立たない事がわかった。
 
実践してみて初めて、以下の事が身に染みて理解できた。
 
・まずは信用。信用されなければ、どんな取引も成り立たない。
・「人が欲しがっているもの」と、「私が与えることが出来るもの」は違う。
・看板を持って立てば、ほとんどの人がそれを見て(注目して)くれる。
・今の私には、パッと見た相手が「どこへ行くのか」「何をしようとしているのか」「何を欲しがっているのか」「どんな言葉をかければ喜んでくれるのか」が全くわからないということ。これまで全く周囲の人間に注意を向けてこなかった代償は大きい。人と目が合うと反射で顔をしかめてしまうし。。。
・自分が他人に与えることが出来る「価値あるモノ」は自分が思っていたよりも圧倒的に少ない。
・今の日本では個人情報(名前や顔、写真)は、昔よりも繊細に扱わなければならない。Twitterでつぶやいたことが全世界にあっという間に拡散してしまうので。
・自分が最初にやるべき事は、「署名をするだけ」の価値に見合ったサービス、商品を作り出すことである。
・今まで、人の目をすごーく気にしていたが、案外誰も、私が何をやっているかについて興味が無い。だから、私も他人の目など気にする必要がないということ。
・人に無視されたり笑われたりすることは、怖がるようなことではない。(慣れれば案外平気だった)
・やってみた結果は惨敗だったけど、「一皮むけた実感」が得られたことは大きな一歩。
・自分がどれだけ「がんばって」も、相手にとって価値がないものは無価値。
 
 
次は、自分が提供できるサービス(商品)を作り出すことに挑戦していきたいと思います。
 
 
あなただったら、どうやって3日で1000人の署名を集めますか?