所有から利用へのシフト
「クラウド化」は、なにもIT業界だけに限った話ではありません。
私はシステム屋なので馴染み深いのですが、
クラウドが一般的になってきた昨今、サーバーを社内に設置するのではなく、
Amazon(AWS)やMicrosoft(Azure)などのクラウドサービスを利用する会社が増えています。
私の現在の会社も、
今年から勤怠管理システムをAWSに乗せました。
これで何が変わったかというと、
今までオフィスに来てパソコンをExcelで入力して印刷して提出していた勤務時間表を いつでもどこでも、自分のスマホから入力出来るようになりました。
これはユーザー目線。
サーバー管理者目線で言うと、違いはもっと大きい。
好きな時に手軽に増設でき、勝手にバックアップを取ってくれる。
サーバーごと複製するのもコンソール画面でちょいちょいってやれば完了。
誰かがコーヒーをこぼして、データが飛んでしまうことも無い。
経営者目線で言うと、やはり最大のメリットは固定費を流動費化できること。
今までは、最初に馬鹿高いサーバーを買って、さらにランニングコストとしてデータセンターに月々固定額のメンテナンス費を払っていた。
サーバーを増築したい、もしくはこんなに容量はいらなかった、なんて後から思っても、 簡単には出来ない。また金がかかる。
それが、AWSに移行したことでどうなったか?
使っていない時は、インスタンスを停止しておけば課金されない。コストゼロです。
容量が足りなくなったら、管理コンソールで操作して増築すれば良い。 瞬時に反映される。
クラウドは基本的に時間単価なので、「初期費用」というものは発生しません。
使った分だけ、毎月請求される仕組みです。
つまり、クラウド化とは、所有から利用へのシフトなんです。
便利でしょ? さて、ここまでは前置き。
クラウド化は別にシステムに限った話ではない
例えば、家。 「賃貸物件」も、ある意味では固定費の流動費化と言えると思います。ローンを払って持ち家を買うと、
途中で改築したり、気軽に引っ越ししたりできない。
古くなったらメンテナンスしなければならないし、
突然、変な奴が隣に越してきても、自分が引っ越すのは難しい。
賃貸だったら二年契約などの縛りはあるが、基本的には好きな時に出て行けます。
もっと極端にすると、毎日ホテル暮らしという手もある。
日本では物価が高いので金銭面で現実的でありませんが、
海外には家具もセットで、3LDKプール付き、食費込みで月10万円あれば事足りる、という場所もある。
そういう場所で、必要最低限の荷物(ザックに入り切るくらいの)だけ所有し、
あとは現地のものを利用するという日本人も増えてきています。
※ちなみに日本人のパスポートは世界最強。ほとんどの国にビザなしで入国できる。
日本で「持ち家」や「会社」に縛られて老後やリストラの不安におびえながら生活するのと、
海外に身一つで飛び出し、好きな時、好きな場所、好きな仕事を自らの力で選び取るのと、
どちらが良いと思いますか?
一度きりの人生。 私は後者を選びたい。
特に身一つ、と言うのが良い。シンプルで、身軽で、何でも出来そうな気分になる。
このブログの読者も、同意見の人が多いのではないでしょうか?
そして、皆さんのような人は今後絶対に増える。
所有から利用へのシフトは、
私たちの生活全般において大きな波になって顕在化しつつあると思うのです。