【脳科学】瞑想が脳に与える影響
「瞑想の達人である仏教僧と一般人とで、どのように脳の働き方が違うのか?」
を明らかにした実験、ご存知でしょうか?
ダライ・ラマを始めとする仏教僧と一流の脳科学者とで行われた、
大規模なプロジェクトです。(2004年 学際会議『精神を探求する』)
実験の結果、以下のようなことが明らかになりました。
・修行期間の長い高僧ほど、短時間の瞑想で強いγ波が生じた
・一般人は、瞑想してもγ波は生じなかった
γ(ガンマ)波は、高次精神活動に関連しているとされています。
平たく言うと、注意力や集中力です。
つまりこの実験の結果は、
「瞑想修行を積めば、脳波を自在に操作できる」ことを意味しています。
<実験結果>
高僧(瞑想修行:計4万4千時間以上)
前帯状回の活性状態:△
γ波 :◎
修行僧(瞑想修行:計2万時間程度)
前帯状回の活性状態:○
γ波 :○
一般人
前帯状回の活性状態:△
γ波 :×
つまり、修行僧は「集中しよう」意識してγ波を出すのに対し、
ベテランの高僧は意識せずとも、スムーズにγ波を出すことができるのです。
γ波が出ると何が良いのか?
脳の使い方そのものが違ってきます。
瞑想により修行を積んだ人は、
脳のメモリリソースを効率よく使うことができます。
一般人が数か月の瞑想修行を積む前と積んだ後では
試験の得点率が上昇したそうです。
いやいや、お坊さんじゃないんだから、
4万時間も瞑想してられないし!って思った方。
この本には1日20分の瞑想でも
5日目から脳波に変化が現れたと情報があるので、
集中力を高めたい方は是非、お試しあれ!
p.s.
私の愛読書である「新世界より」は、人間が呪力(超能力)が使えるようになった未来を舞台に書かれた小説ですが、作品中では呪力の発生メカニズムや、呪力を使いこなすに至るまでの人類の歴史が非常に合理的に書かれていました。
(これ以上はネタバレになってしまうので書きませんが)
著者である貴志先生も、この辺りの研究書をインプットしてからあの名作を書き上げたのでは、と思いました。ほんとによくできた話です!